

日本人ほど桜の好きな国民はいないのではなかろうか。城、寺社、学校、公園と至る所に桜が植えられている。桜の花を愛でる心は日本人特有のものかもしれない。
しかし、万葉の時代は花といえば梅の花をさしていたようである。万葉集では梅の花を詠んだ歌が118首であるのに桜の花は44首である。梅の花がもてはやされていたのは、当時中国文人たちに愛されており、中国文化を理想としていた日本人もその影響を受けていたからと思われる。推古天皇の時代に始まった遣隋使(608年 小野妹子)、そして630年よりの遣唐使が日本に中国の文化を大いにもたらし、大きな影響を与えたといわれる。
894年遣唐使が廃止された頃より、日本固有の花、桜が好まれるようになって来たようである。古今集の「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平)」「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ(紀友則)」など多くに桜の歌が詠まれているが、高校時代に学んだ歌を今でも覚えているのはそれだけ私にとっても桜の花は大きなウエイトを示しているのかもしれない。
江戸時代まで愛でられてきた桜は日本固有の山桜である。現在各地に植えられているソメイヨシノは、明治初年に東京染井から売り出されたオオシマザクラとエドヒガンの雑種であり樹齢何百年という古木はないが、ソメイヨシノには桜の淡さ愛しさが感じられる。
奥会津、特に南会津は雪深き地方である。雪で幹や枝が折られたりするため桜が大木になることは難しい。それでも桜を愛する住民は、山に生える自生の山桜を保護したり神様の宿る木として寺や神社に植えたり、種まき時期の目安として暦代わりに植えたりしてきた。
今回は、今年のゴールデンウィークに撮影した南会津の桜を紹介します。
| 小塩うえんでぇの桜 | 高野の種まき桜 | 中荒井地蔵堂前の シダレザクラ |
南泉寺のシダレザクラ | 戸赤の山桜 |